ATMOS MEETS KOSUKE KAWAMURA

ATMOS MEETS KOSUKE KAWAMURA

河村康輔(Kosuke Kawamura)

グラフィックデザイナー、アートディレクター、コラージュアーティスト、「ERECT Magazine」アートディレクター。 アパレルブランドや広告にアートワークやグラフィックを提供するほか、 ライブ・イベント等のフライヤー、DVD・CDのジャケット、書籍の装幀など多岐に活動する。 コラージュアーティストとして、様々なアーティストとのコラボレーションや国内海外での個展、グループ展に多数参加。 代表的な仕事に、2012年「大友克洋GENGA展」メインビジュアル、2017年大友克洋氏と共作で 「INSIDE BABEL」(ブリューゲル「バベルの塔」展)を制作。 オランダ・ロッテルダムのボイマンス美術館に収蔵。 渋谷PARCOアートウォール企画「AD 2019」で大友克洋氏とAKIRAを使用したコラージュ作品を発表。 2018年S/S adidas Originals and United Arrows & Sons collaborative collectionのグラフィックを担当。 作品集に『2ND』『MIX-UP』『22Idols』(Winston Smithとの共著)『LIE』『1q7q LOVE & PEACE』(対談集)など。

KOSUKE KAWAMURA X KOJIMA
SPECIAL INTERVIEW

Q:adidasとの取り組みはいつからしていましたか?

小)atmosは今年で20周年なんですけど意外とadidasさんとの取り組みは浅くて、2010年からプロジェクトをスタートしました。
今日対談があると言うことで、G-SNKのファーストモデルを持ってきたんですよ。
河)え?これがそうなんですか? 小)これがG-SNKの第一弾のモデルです。実はこれまで第9弾まで出ていて、今回発売するのが第10弾になるんですけど。
河)G-SNKの歴史がここから始まったんですね。それにしても10年前としてはめちゃくちゃ綺麗な状態で残っているんですね(笑)
小)今年G-SNKが10周年ということでSUPERSTARとして再び出てくるという形になります。今年、SUPERSTAR50周年というのもあって、いいタイミングですしadidasさんとお話して復活したというのが今回のモデルの経緯ですね。
河)今日現物を初めて拝見したんですけど、めちゃくちゃかっこいいですね。もともと黒の方を履きたいなと思ってたんですけど白の方見たら、白も半端なくかっこよくて。(笑)
小)ホワイトがグローインザダークで、ブラックがリフレクティブで二種類。好みに応じてお選びいただけるという形で作りました。 今回こういう形でSUPERSTAR 50周年をお祝いすることができて僕的には感無量ですね。
河)これは本当に欲しいです。

小)そういう風に言ってくださって嬉しいです。河村さんはadidasさんとの繋がりはどういう感じだったんですか?
河)繋がりとしてはもう15年くらいですね。
小)atmosよりも長いんですね!
河)そうですね。お仕事としては7年前くらいだとは思うんですけど、渋谷店のリニューアルの時にTシャツを作らせてもらったのが初めての取り組みだったかと思います。
きっかけとしてそれがスタートで、そこから毎年なにかしらは関わらせてもらっていて、その後もいろいろとやらせていただいます。
小)adidasのイメージは強いですよね。河村さんといえばadidasというような。
河)そうですね。割とずっと10何年前からむしろadidas以外履いていないです。
小)ずっとadidasユーザーなんですね!
河)そうですね。adidasはもともと昔から好きで、15年前に知り合ってそこからいろいろサポートしていただくようになりました。そういうこともあってそこから、ぎゅっとadidasさんとは近い関係にならせてもらって、基本adidasしか履いてないですね。
小)すごいですね。いい話!
河)いや全然狙ってないんですけどね。と言いながら本当にずっと履いてます。でもなんか、すごい文化的な流れとしてもadidasが好きだったので、学生時代の時に一番最初に履いたスニーカーもSUPERSTARでしたし。
小)僕もたぶん一番はじめに買ったadidasがSUPERSTARの白黒でした!
河)あ、同じです。僕も(笑)
小)中三とかですかね、僕地元のダイエーで買いましたからね。
河)もうほぼ一緒ですよ。
小)昔はそういうところしか売り場が無かったというのもあるんですけど。
河)そうですよね。いい思い出です。
小)それから20年くらい経つので、今年50周年というのが僕も信じられないんですけど。
河)そう考えるとすごいですよね。
小) ほかのSUPERSTARも今も変わらず履かれているんですか?
河)履いてますよ。この間発売されたシューレースレスのモデルは結構履いています。定期的に更新していくような感じですね。
小)わかります。履きたくなるというか。定番ですもんね。
河)SUPERSTARは形も好きなので。
小)アイコニックなモデルですもんね。
河)そうですね!すごい好きですね。

Q:二人がみるadidasのイメージは?

小)僕のadidasのイメージは良い意味で変わらないというのと、王道、クラシックというのが昔からのイメージで、やっぱりSUPERSTAR、STANSMITHのイメージが強いのでそういう印象が根付いているのかなと思いますね。
ナイキとかに比べるといい意味で変わらない。ベースがしっかりしているというのが僕の印象で、今後も恐らくそういうイメージを持ち続けると思います。
河村さんはどんなイメージをお持ちですか?
河)僕もベースは、ずっとしっかりある印象ですね。変わらない良さというか。
アーティストサイドの観点から言うと、一度関わらせてもらうとすごく長くサポートしてくださるというのは、この10何年お付き合いさせていただいた中で更に感じました。
小)その関係性をそれだけ長く維持するってすごいですよね。
河)その時その時でサポートするアーティストが変わるというのは色々なところで見たことがあるんですけど、自分が初めて関わらせてもらったのがadidasさんで、すごい手厚くサポートしてくださって正直びっくりしております。
小)好きなブランドと関われるっていうのは、本当に嬉しいですよね。
僕もいろいろな仕事をするんですけど、やっぱり好きなブランドと関われるのはすごい幸せなことだなと思います。
河)そうですよね。やっぱり自由にやらせていただけるというのが、すごく自分の中で大きいのと、本当に長く付き合ってくださるイメージがすごくあります。
小)今後adidasとは取り組んでいく予定なんですか?
河)そうですね。切られない限り(笑)。ドキドキしながらやってます。(笑)

Q:atmosのイメージ、魅力は?

河)そうですね。atmosさんは昔から原宿にあるイメージですね。僕ちょうど東京に出てきて20年なんですけど、原宿にあったのはすごく覚えています。それまで田舎とかだとあまりちゃんと靴に特化したというか、ちゃんとセレクトされているお店はなかったんですけど、田舎から東京出てきてatmosさんを最初に見た時に、こんなに靴が展示されているお店を見たことがないくらい靴が並んでいて、すごくインパクトがあったのを覚えていますね。
小)原宿だとそうですね。今までだと、さっきの僕のSUPERSTARのダイエーの話じゃないですけど、スニーカー屋という文化が確立されていなかったので、原宿からうちも発祥して当時スニーカーブティックというので展開していました。そういった形で当時結構取り上げられていたので、そういう印象がもしかしたら残ってらっしゃるのかもしれないですね。スポーツシューズをうちとしてはファッションの切り口で展開していたので、ランニングシューズもバスケットボールシューズも、街でこういう風に履こうというので商品をセレクトして選んでいたというのがきっかけですね。
河)当時ふつうに買い物をさせてもらっていました。結構靴に対するイメージが初めて変わったところかもしれないです。
自分たちが見ていたのがadidasさんのSUPERSTARとかでスポーツ的なものをそういうところに入れていくというのはあまり当時考えていなかったのを東京出てきて原宿で自分のおしゃれだと思う靴屋さんに行って、こういう靴も普段履きするんだ。っていうはじめてちゃんと見れたかな。というイメージがあります。
小)大変うれしいです。知ってもらえていただけで。。
河)いやもうすごい行ってました(笑)

小)僕逆に河村さん知ったのが意外と遅くて、おそらく2.3年くらい前のBEAMS TとINSPIRATION CULT MAGAZINEでした。あれは2年くらい前ですか?
河)そうですね。確か2年前とかですかね。
小)それくらいの時に知ってから、結構僕が勝手に調べていた。という印象です(笑)
河)ありがとうございます!すごく嬉しいです。
小)そこから大友さんのだったり、色々な作品を見ていて。意外と興味もって調べていたら今回こういう形でお仕事することになって何かのご縁かな。と勝手に思っていますけど。やはり独特なアートワークが僕的にすごく印象的で。 BEAMS Tいつも通るんですけど、見ていてネットで調べたのがきっかけですね。
河)本当ですか!僕も知ってもらっているっていうのが一番嬉しいですね。
小)僕らがもっと頑張って広めていきますので。
河)是非お願いします!

Q:今回のプロダクトについて

小)今回、2つのG-SNKとR-SNKに合わせてうちの方から、河村さんにスペシャルオファーをさせていただいた、ということで、プロダクトのこだわりというのを説明していただけたらと思います。
河)今回、スネーク柄というのがあったので逆にすごくやりやすかったんです。それに合わせてヘビ柄をどうしても使いたいなと思って。あとシューズが全面に出すぎていても着るときがなかなかハードじゃないですか。 ですのであえて、頂いた写真をすごく濃淡つけて逆にスネーク柄メインに見せるくらいのイメージで、それを重ねていきながらという感じですね。とにかく着やすくちゃんと作りたいなと思って作成しました。 あとは色をどうしてもモノクロになってしまうので、今回のグローインザダーク(白)のほうのイメージ。光ってるイメージの色を重ねています。
小)そうですね。河村さんらしい。ファンの方には嬉しい仕様かなと。
河)ずっとやっているシュレッターの手法で、これでなにかカモフラージュを表現するじゃないですけど。ヘビの隠れている部分を表現できたらなと思って。こういうデザインに仕上げました。
小)何重にもなっていますもんね。文字も入っていますし。
河)そうですね。靴見ている時に一見形としては定番のSUPERSTARじゃないですか。そこに、一つギミックを入れるだけでこれだけものって変わるんだな。というのがあったので、街で普通に履いていて普通にSUPERSTARという風に溶け込むけど、夜になると光るというか。
小)ギャップですね。
河)そうですね。二面性がTシャツにも出せたらなと思って。
小)僕らも今回の2足も二面性で、ベーシックな白と黒になっているんですけど例えば、昼間普通に歩いてもらったら、夜くらいところだったり、全面に光を放つようになるので、昼と夜で表情が違うというのが、G-SNKのポイントにはなっていますね。こちらも、自転車乗ったりだとか、色々な用途で使えると思っています。
河)そうですよね!僕自転車乗るから。めちゃくちゃいいじゃないですか!
小)イメージ的には昼間(白)と夜(黒)で、両極になっているのと、リフレクティブとグローインザダークでこちらも仕様を分けております。
河)そうか。もう完全に二面性ですね。 小)河村さんのTシャツに合わせて頂いてもばっちりだと思っています。
河)ばっちりですね本当に。僕も二面性を今回考えていたので、ちょうどうまくハマってよかった。
小)スニーカーのストーリーとTシャツがしっかりつながっているので。ありがとうございます。

Q:Adidasとやってみたいことは?

小)今回初対面だったんですけど、僕的にはですね。勝手にやってみたいことがありまして、SUPERSTARとは限らないですけど、河村さんのデザインをスニーカーに落とし込むプロジェクトを一緒に出来たらと思っています。
河)いや、僕も前からatmosさんと、一番やりたいのが靴なんですよ。
小)本当に、河村 康介モデルを。うちと一緒に。
河)是非やらせてください。本当に!
小)特徴的な、レザーにシュレッターかかってるようなsuperstarとかすごいかっこいいと思いますし、
河)わあ、やりたいですね。。前回もやらせて頂いたんですけど、やっぱこう一部分にちょっとグラフィックが入っているという感じで、靴くらいなんですよね。やったことが無いの。
小)なるほど。僕が頑張って実現します。
河)是非お願いします!
小)ちなみにadidasで一番好きなモデルは何になるんですか?色々履いてきたと思うんですけど、、 難しい質問ですが(笑)
河)難しいですけど。やはりSUPERSTARとCAMPUSですかね。。
小)気持ちわかります。おそらく世代が、僕81年(生まれ)何ですけど、河村さん79年と拝見したんですけど。僕80年として1年しか変わらないので。
河)完全に世代ですね(笑)
小)僕もSTANSMITHより、SUPERSTAR、CAMPUS派で、、
河)そうですよね。
小)僕もクラシックなものが好きです。

河)この世代って、STANSMITHをそんなに履いているイメージはなかったですよね。
小)やっぱりこっちから一発目入っているので、どうしてもそれに青春時代引きずるという訳じゃないですけど。。ずーとadidasといえばというのが僕の頭の中で変わらないので
河)やっぱり一緒です。僕もadidasと言えばSUPERSTARとちょっと細かくみていってそこで初めてキャンバスとかに入っていったというような感じです。
小)音楽とかもあるのでみんな通ると思うんですけど。僕のほうで、SUPERSTARで実現できるように。
河)是非お願いします!
小)もし実現したらもう一度このような対談しましょう!
河)もう一回、作るほうで撮りましょう!
小)本日はありがとうございました。
河)こちらこそありがとうございました。

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